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「おやすみネルネル」

naitou

今日は自分の時間がとりたくって、各方面に無理を言って、ひとりの作業に専念していました。

だいぶはかどりました。ありがとうございました。


朝からネルコはこたつの中で夢を見ていて、私はずっとかりかりとペンを入れていて。

午後いちくらいになって、ようやく

「あれえ、りえちゃんたら、こっちにいたのー?」

と、寝ぼけた顔で窓辺までのそのそ出てくるネルコ。

「じゃあぼくこのへんでひなたぼっこしてまあす」

うんそうね、あったかいところでね。眠るの気持ちいいよね。私も手が離せないしね。


二時間後。

「りえちゃーん…ぼくなんだか、きもちわるくなっちゃったあ…」

とん、と窓辺から冷たい床に降りたネルは泣きべそをかいていて、台所のすみっこにうずくまるようにして。

あのね。それは<のぼせた>と言うのですよ。一般的に。

あったかいところばかりにいて、どうやら体温が上がってしまったようなのです。

黒猫だしね。

冬だからって安心してた私もわるかったね。ごめんね。

ほら、お水飲もうね。


ややあって、回復したネルネルは妙に元気に家じゅうを駆け回り、作業部屋の棚に駆けのぼって、インクを乾かしていた原稿をすべて蹴散らかすという暴挙(私の悲鳴つき)に出ては、

「やありえちゃん、ぼくの名前は世界一かわいいちゃんです!」

などとたからかにうたいはじめるのでした。

「ほーら、りえちゃんの王子さまだよー!ぼくが王子さまなのー!えへ!」


おやすみなさい…。






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