「おーしゃん」
- naitou
- 6月27日
- 読了時間: 2分

めちゃ暑いので麦わら帽子を被って、商店街の魚屋さんへ行く。
私としては変装したつもり(?)だったのだけど、店に入るなりあっさりと「はい、むきえび100ね!ちょっと待ってね!」と、すぐさまガラスケースを開けてゆく魚屋さんにはまるでかないませんでした。
でもそういうことって、だいじだと思う。
子供の頃、初めて転校した先の広島の小学校は制服だったので(公立なのに不思議ね)、関東の奥の田舎から来た幼い私には、クラスの子たちが見分けにくい&言葉がわからないなどの理由から、自分から気楽に話しかけられるようになるまでずいぶん日数がかかりました。
「ね、うちとおーしゃんいかん?」
休み時間に話しかけてきた女の子が言ってることが、一個もわからない……
そのワードはどこで区切られてるのかい?
うちは私なんだろう。きっと。いかんは行かないかってことだろう。じゃあおーしゃんって?王しゃん?何語?
それは校内では人気の遊具だったようです。
大きな傘のかたちで回転するようになっていて、その輪につかまった子供たちでまわして勢いでぶらさがって遊ぶ……
すみませんいまだにうまく言語化できません。

←こんなようなやつ。
遊具すら都会っぽいことに驚いたのを覚えています。
たぶん「ocean」から来てる名前なんじゃないかと、大人になってから聞いたのですが、正確なところはわかりません。
制服の女の子たちにと一緒に、無言でぶらさがっている転校生の私。
みんな制服なので、隣でまわっている子と向かいでまわっている子の違いや名前を自分の中でクリアするのに懸命でした。
今でも、他人の顔を覚えることじたいはそんなに得手ではないのだけど、気配や色あいのようなものはわかりやすいから、それですすんでゆく人生です。
ああでも一時期は、わざと顔を覚えようとしなかったのかもね。子供の頃はね。
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