夕暮れ時、七月堂へと向かって、世田谷線沿いをずっと自転車で走っていった。
早い桜が咲いていて、風はあたたかくて。
途中の坂道を「ぴゅー」などと言いながら駆け下りて行ったら、わき道から出てきた自転車にちょっと笑われた。
ていねいに、そして全力で、やってみよう。
ずっとずっと全力ではなくて、もしかしたらしばらくの間しかできなくてもいいから、それでも。
今年の自分の計画をたどりながら、ここ数日、胸のうちで着いたのはそんなシンプルで大切な心持ち。
今はただやってみよう。
先日、家におすもうさんがいる夢を見た。
ごはんを作っても作ってもおすもうさんがよく食べてしまうので、困ってしまう私という設定で、やっと目が覚めると大きな黒猫ネルがじっと私を見ていて。
ああそう。そうね。と思った。
買ったばかりだと思っていたカリカリの大きな袋がもう空に近くなってること、私、気にしてたんだなーって。
そんなネル(自称子猫)は、作業中の机の上でわざわざひっくりかえるのが大好き。
「こぐまちゃん」という、ネルの呼び名は、あながち間違いではなかったと思わせる大きさ長さで。
最近は、ラジオ体操の歌のメロディで「♪こーぐまちゃん、こーぐまちゃん、ラ、ラララ、ラーララ」と歌ってあげることにしている。
ほんとうは、きっと、ちょっとしたことなんだと思う。
誰かのひとことや、出かけた場所。
受け取るもの差し出すもの。
風のにおい、季節の花影。
気づけること届けること。
そのどれかが、いやもしかしたらそのどれもがか、ふとキイになれることなんか、何度だって、ある。
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