心を無にして歩いていると、ひとの言葉を拾いがち。
今、もよりの映画館で「PERFECT DAYS」を一か月ずっとやっていて、まだ観ていないけどどこかのタイミングで行こうと思っています。
先日、いつものパン屋さんへと、のんびり小学校の前を歩いている時でした。
「えそれであの人はどういうわけで」
「やだ観てなかったのあのねあの人はね」
私のちょっと後ろで、同じ速度くらいで歩いているおばさま二人の話し声がふと耳に入ってきました。
「ああそういうことなのね」
「だからさー」
どうやら映画館帰りのようです。「PERFECT DAYS」のようです。
そして、片方のおばさまが、あまり映画の内容を理解しにくかったようで、もう一人のおばさまにひとつひとつ疑問を訊いています。詳細な情景や心情が、もう一人のおばさまなりの目線で逐一、こたえられてゆきます。
…って、私その映画これから観るんだようー。
内容そんなにつぶさに知りたくないんだようー。
たすけてー。
「ほらあの人は?」
「どの人よ」
「えっとね、ほらさ」
おばさまがたは、進む方向が同じようで、ほがらかにおしゃべりしながら等間隔にぴったりと私の後を歩き続けています。
もう映画の説明は、すべて聞こえています。
パン屋さんは、まだまだ先。
がんばれ私。
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