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「もうひと駅を、歩く」

  • 執筆者の写真: naitou
    naitou
  • 4月18日
  • 読了時間: 1分

明け方に見た短い夢、ふたつ。


それは、どこかの森のはずれでした。

人のいない小さな駅に着いて、私はその人と別れて電車に乗ろうとしました。

またしばらく、ばらばらにすごす時間が始まることになっていました。

でも、少しして、見送ってくれているその人のところにまた駆け戻った私は

「ねえ、もうひと駅ぶん、歩いていきたくなっちゃった」

と笑って言いました。

その森とせせらぎが、次の駅あたりまでは続いているのはわかっていたのです。

いや、もっとずっと先までかもしれません。

ふたりは笑って、駅から離れて、澄んだ空気の森へと歩き出したのでした。

線路は、見えたり見えなくなったりして、続いてゆくのでした。

たくさん笑って、たくさんの声を交わしました。


やがて、今度は私は、みおくる側になっていました。

やはり森のはずれ、駅に着いて、でもそこで相手と離れてしまうのがとてもいやで、

思いきって、でもものすごくなんでもないふうにして、

「もうひと駅ぶんくらい、歩いてみる?この森はまだ続いてるからさ」

とくちにしました。

のばした手をそっちの方角へと向けて、そっと勢いをつけていたかもしれません。

「そうだね」と、ふたりは笑ってまた一緒に歩きはじめたのでした。



 
 
 

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