「古都かもしれない」
- naitou
- 4月9日
- 読了時間: 2分

古都を旅行中です。
…と見せかけて、ただ単に、七月堂からちょっと奥に入っていって桜散る豪徳寺近辺を散歩しただけのことなんだけども!
区の観光案内に絶対に載っている「大小無数の招き猫がぎっちり並んでいる場所」の写真は撮らなかったです。
ひとや猫や、誰かの気持ちが、とても大切に並んでいるように思えて。
桜散る季節にいつも思い出すのは、数年前の緑道の景色。
ペット用のカートに中型の犬を載せて散歩している女性とすれ違いました。
その犬は、もうかなりの老犬で、じっとおとなしく風にあたっているだけでした。
風に桜の花びらが舞い始めると、女性はカートの前にしゃがんでいっしょうけんめい写真を撮り始めました。
犬と桜、自分と犬と桜、また犬と桜。犬と桜。ちょっとだけ自分も一緒に。
女性は少し涙ぐんでいました。
その頃私は、前の猫を亡くしてもう数年は経っていたかもしれません。
でも、犬と桜の写真を撮り続けるその女性のそばを通り過ぎて少しして、私は急にしゃくりあげてしまいそうになって、あわてて緑道を足早にぬけていったのでした。
ここ数日少し咳が続いていて、夜中じゅう、こんこん言っています。
キツネじゃないんだけどね。私。
どっちかっていうと、タヌキのほうが近いかもしれないんだけどね。
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