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「本はポッケで、猫は窓」

  • 執筆者の写真: naitou
    naitou
  • 5月8日
  • 読了時間: 3分

GWは、終わった…の、かな??

なんだか体中が痛くてぼんやりしてしまいます。

窓の外をながめる朝の猫が、はたはたとしっぽを振ってよこします。


昨日少し時間があったので、駅ビル的な中の書店で目についたものを次々にめくってすごしていました。

ここ何年か、小説はあまり読まなくなっていて、なぜならもう子供の頃みたくすべての本に全力で入り込むことはできないように感じているのと、今は自分の物語を生きているからなんじゃないかななんて勝手に思っていて。

そういえばこの前「このオノマトペの本おもしろいですよ」と教えてくれたひとがいたな、と思いだして、それはちょっと読んでみたかったので新書だったかなどこのだったっけ?と書棚をさまよっているうちに、また別の二冊、読んでみたそうな文庫本を手に取ってレジへと向かいました。


それは特に平積みになっていたわけではなく、無数に並んだ背表紙からふと選んだものだったのだけど、お会計をすませて書店を出ようとした時、店内放送でふいにその私が買ったばかりの本の内容紹介をするアナウンスに気づいてびっくりしました。

偶然ではないようだったので、もともとフェアか何かだったのかしら?


以前は、この駅の向こうの商店街にある古本屋さんが店頭のホワイトボードに「昨日売れた本リスト」をいつも書き出していて、それを見に行くのがけっこう好きでした(もうその古本屋さんはなくなってしまったのだけど)。


スターパインズカフェに行く時いつも、ちょっとでも時間があればアーケードの途中の古本屋さんに立ち寄るようにしていてね。

開演までの時間に読む本をそこでささっと選んで買ってゆくことが多いです。

いつも開場ぎりぎりにかけって着くことが多いので、お席をとって、物販とドリンクを並んで、それからほんのわずかの時間で買ったばかりの文庫本をながめながら、開演前の薄暗がりで気持ちをととのえるのがけっこうだいじな切り替えポイントだったりします。

せっかく来れたライブ、澄んだ気持ちで向かいたいではないですか。


この前の大晦日だったかな、やはりライブに向かう前にその古本屋さんで買っていったのは、書き込みだらけの『茨木のり子詩集』でした。

店内で手に取って開いた時に、その書き込みだらけのページに思わずくすっと笑ってしまって迷うことなくすぐ奥のお会計にすすみました。

「あ、ともだちがいた」って気がして。

「これ、このへん、いっぱい書いちゃってるけど、いいですか…?」お店の人にそう言われて

「だいじょうぶでーす」とにっこりこたえました。

むしろ、それがよかったのです。この本を以前持っていた誰かが、茨木のり子さんの詩を読み込んで何を感じて何を思ったのか、それは私の感覚と何が同じで何が違うのか、それを見てみたかったのでした。

年月のかかる無言のゼミ発表みたいで、楽しかったです。なんか。


それとは別に数年前だったかな、ライブ前にその古書店でやはり本を眺めていると、途中で若い男性が入ってきて本を見始めました。

私は内心「わ」と思って、ちらりとその男性のTシャツを見ました。

それは『ダンス・ダンス・ダンス』の表紙の絵のTシャツで、本屋さんに来るにはあまりにもぴったりすぎるデザインだったので。

その時、せまい店内じゅうの人全員(って言っても4~5人くらいだけど)の、

「それ…ダンス・ダンス・ダンス…」「きみは…もしや…ダンス・ダンス・ダンス…」「…表紙だよね」「ささきまき…」

そんな感じの心の声が一致団結してうずまいているかのように思えて楽しかったです。


 
 
 

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