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  • naitou

「オットリーノ」


ここ二日くらい、きつめの貧血でゆらゆらしていました。

そんなにたゆたってばかりで、暮らしてゆけるわけでもありませんが。


昨夜、作業部屋の眠り籠で眠ってしまったネルに声をかけずに、隣室で布団に入った私。

だいぶ具合がよくなってきたから、明日は早起きして作業できるかもと思ってね。


そして真夜中。

わあわあ泣きながら、私を起こしに来る巨大猫ネルネル、その言い分としては

「目が醒めたらりえちゃんがいなかったあーっ、なんでぼくにひとこと言ってくれなかったのようー、えーんえーん」

…いや起こしちゃ悪いかなって思ってー。

「寒かったようーさみしかったようー」

はいはい、じゃあもう一緒に寝ましょうかねえさあ暖房つけましょうかねえ。

そうして、この部屋での私の日々は、なんだか昔話のようにおっとりとすぎてゆくのでした。


そして早朝から、仮本を組んでみようと思ってざくざくと裁断機を使っている私にまとわりつく黒猫をよけるのに一生懸命。



あのね、おひげ切っちゃったら大変でしょ。

おうち帰れなくなっちゃうでしょ。

ていねいに説明してみたのですが、それよりなにより、かまってほしかったようなので、だっこして背中とんとんしてたらだいぶ落ち着いたみたいです。

家の人のお弁当をつくりながら、「さあてネルも一緒にお弁当につめちゃうぞー」などとおどかしてみたりして。


最近は、なるべく本を読むようにしています。

なぜかもう小説はほとんど読めなくなったので、自分にとって興味深いことや何かをつきつめたもの、または一見ラフでもその向こうに何かが見える文章を追って。

今、ネルが「ねえぼくのおなかで手あっためていいよ」と、へそを見せてくれているのですが、残念ながらもう出かけます。

今日もいい日で。

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