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「ノートより」

  • 執筆者の写真: naitou
    naitou
  • 13 時間前
  • 読了時間: 2分

〜 昔のノートをめくっていて、見つけた文章です。2年くらい前のノート。触れている内容は、たぶん7歳か8歳くらいの頃の話。転校して少したった頃だと思う。 〜

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ぼくのともだちは、目に見えない。

他の人には、わからない。


でも、そんなことはどうでもいい。

きみはぼくのともだちだから。


校舎の端っこ、水飲み場の前である日ぼくはきみに出会う。

昼休み、なにもすることがなくて、遊ぶ人もいなくて、居場所もなくて、

さかさにした蛇口からとくとくと湧き出す透明な水道水が常にかたちを変え続けるのを、じっと眺めていたぼくは、ふいに呼ばれた気がして振り向いた。

そしたら、きみが、もう、いたんだ。そこに。


きみは、どこから来たの。

もしかして、あの本から来たの。

ぼくに会いに来たの。

それともまさかこの学校のざしきわらし。

ううん、いいのいいの、どうでもいいんだ。ぼくのピアノ聴いてくれる?

つまんない校庭も、急に光り出す。


ぼく、きみに会いたかった。

あの本の中へ、一緒に帰りたい。

じゃあまた明日。


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初めての転校で、その地の言葉もわからなくて、もともと内向的な部分が増して誰にどう話しかけたらいいかもわからなくて、自分の中にともだちをつくっていたんだったけな。

あの頃。いつも。

数回の転校は、多いのかもしれないし、人によってはそんなんたいしたことないっす!ってことでもあるかもしれない。

最近よく思い出す。

携帯もネットもない時代、遠くへ引っ越したら、なにもかもがひきちぎられるようにそれっきりになってしまうこと。

学校で最後の挨拶をして、家に帰って、翌日荷物を見送って、車か新幹線か飛行機で旅立つ時、私は毎回、口の中だけでそれまでいた学校の校歌を歌うことにしていた。

誰にも聞かれないようにして。

時々は指先をぎゅっとにぎって、泣き出してしまわないようにして。


いつからか、人前で声を出すことがどんどん苦手になっていた。

だから書き続けていた日もあったんだろう。

じゃあ今はだいじょうぶかっていったらまだあやしい、でも少しずつ音をとってゆくたびに、少しずつわかってゆく記憶があって、それは私を時にはとても憩わせている。












 
 
 

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