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「記憶の記録2」

執筆者の写真: naitou
naitou
9月30日
読了時間: 4分

(順不同/日時不明)


 ◎月◎日


寝起きの私、目の前に毛糸玉がころんと転がってきた。

すぐそばの棚から、猫がひっかけて落としたんだけど。布やら毛糸やら羊毛なんかの棚。

とっさに、

 ああ、それって、アリアドネ…?

と思った私。

でもアリアドネってなんだったかしら?えっとね、その糸玉をたぐればなんかいい方向や出口に向かえるかもしれないっていう魔法か神話の中の名称として聞いたんだと思う。

なんとなくわかっていればそれでいいことだって、たくさんあるのです。この世には。

そして黒猫はころがる毛糸玉にもう夢中。

楽しそうでいいね。ありがとね。



 ◎月◎日


タロットカードよくわかんないんです〜っていう短いマンガの断片を描いていた(まだ途中)。

興味…なくはないかもしれないけど、ちょっと自分は違うのかなって気もしています。

昔ね。仕事のことでさいあくな追いつめられかたをした時、どこかのデパートの隅の占いブースの前を通りがかってふらりと入ってしまったことがあるのです。よほど思いつまっていたんでしょうね。その頃は。えへ。

暗がりでタロットをめくりながら、占い師さんは何度も恋愛とはみたいなことをとうとうと語りかけてくるのでした。

 いや…あの、私、仕事のことを聞きたくって来てるんですけど。

おかまいなし。完全無視。デパートの占いコーナーに立ち寄りそうな女子は全員恋愛問題を聞きに来るんでしょ?って大前提で、次々とカードを切っては話し続ける占い師さんに、かえって消耗しちゃった一件でした。

そういうこと、よくアルカナ。なんてな。



 ◎月◎日


子供の頃ずっと弾いていたアップライト、置く場所がなくて引き取れないのは頭では理解しつつも、なんとなく運搬業者のあてなぞ調べてみたりする。



 ◎月◎日


黒猫の肉球は、全面こげちゃいろ。

時々、そっと手をつないでくれます。優しいのね。



 ◎月◎日


高い音をきれいに出したい時は、低い音を安定してきれいに出せるようにする練習をまずくりかえす。ていねいに。深く。

それは中学生の時に楽器の練習中に自分で気づいたことだったんだけど、高校に入ったら全然普通にそれ教則本にもあったし同じパートの先輩からも教わったんでした。

壁が近いところで練習するのがあたりまえにならないほうがいい、とかね。



 ◎月◎日


近くなってきた展示に提出する原画の搬入に行こうと思ってたんだけど、雨が強いので今日はあきらめました。

雨の日に紙類を持ち歩くのは苦手。



 ◎月◎日


じんましんの薬か雨のせいか、起き上がれなくなって、ついつい床にひらべったくなってしまうことが増えた私。

気づくとそばで黒猫も一緒に、ひらべったくなっていた。



 ◎月◎日


思いきって遠出したいのだけど、行けるようなところで行きたい場所があまり思いつかない。

そんな時は、ドリトル先生方式で決めるのもいいですね。

目をふさいで地図帳をひらいて鉛筆の先で、とん。



 ◎月◎日


緑の多い遊歩道を歩く。

雨に濡れた草木がほどよく冷えて、日も暮れかけていて。

歩行者のみの遊歩道なはずなのだけど、途中で、傘をさしてスマホを見ながら自転車でかけぬけてゆく男の子とすれ違った。

 それ、どこから注意したらいいんだろ。

って思ったね。

危ないだろ。



 ◎月◎日


じんましんは治りつつあるんだけど、今度は歯が痛くなってきました。

二十代なかばだったかな、急な炎症で無理矢理抜かれた奥歯跡のあたり。

歯医者さん、こわいよう。

猫の三種混合ワクチンも行かなきゃだよう。



 ◎月◎日


昔住んでいた家の間取り図をそれぞれ描いてみる。

それなりに全部覚えているんだけど、鎌倉の家の台所からお風呂場周辺がどうしても思い出せなかった。あれは、玄関まで抜けられるんだっけ?ううむ。

最近noteに連載中の童話『はるけき みらい』の②話「お話の雨」2枚目の絵にある玄関は、住んでいた広島の家と鎌倉の家の玄関が重なっているみたいだなって後で自分で思いました。

どちらの家も、私が子供の頃すでに古民家だったので今は存在しません。



 ◎月◎日


いちじくが出回っていたので、ひとパック買ってみる。

ジャムやコンポートに、って書いてあった。

利根町の家では裏庭にいちじくの木があって、台所から見えた。季節になると実がいくつもついて、みんなが食べていた。

私は食べ物の好き嫌いが激しい子だったので、それをいっぺんも食べなかった。

今ならなんでも食べられるのに。ざんねん。


 
 
 

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