「年輪」
- naitou

- 9月10日
- 読了時間: 3分

最近でもないけれど、『茨木のり子の献立帖』をなんの気なしにぱらぱらとめくることが増えたな、と自分で思っていたのだけど(机のそばにあるからね)ひさしぶりに『自分の感受性くらい』を読んで、ああそうだなと思ったのです。
だいじょうぶ、ちょっとでも、何度でも、はっとするくらいがたぶん自分には合っている。
昨日は勝どきのほうのコンサートホールまで、ジャズピアニスト穐吉敏子さんのライブへ。
早めに出て築地市場にでも行こうかということになって、午後に市場にある老舗コーヒーショップで待ち合わせの約束をしました。
<ジョン・レノンが愛したコーヒー>って書いてあったので。
「うに丼6000円」とか「なんかいろいろつけたら8000円」だの、ぎょっとする価格帯のメニューばかりが並んだ市場をすりぬけて、コーヒー飲んでひとやすみしていたら家の人が来たとたん
「チケット忘れた…」
との大発言。
ここ、うちの猫だったら思いっきり「シャーーッ!!」っていうところですね!
結局取りに帰った家の人を別の店で待つ間、激甘チョコトーストのスケッチなぞしていました。
鉛筆しか持っていなかったので、ちびちびとしたもんです。
穐吉さんのライブは素敵な時間でした。
最近はもうあまり行かないようなコンサートホールも、ご年配のかたがたやきっと自分で演奏する人なんだろうなという若者たちの入り混じった客層も、なつかしいような目新しいような気持ちでいました。
この感想はまたそのうちゆっくり書くことにします。
自分の年輪をつくってゆく勇気。なにもかもを込めた音。
先日、私は早朝からアコーディオンの練習でカラオケボックスにいたのです。
まだまだ先だけど、県立柏高校吹奏楽部全OBによる演奏の企画があって、「19期Tp内藤です、参加します」って言っちゃったのです…。
そして、「自分の楽器持ってないので、最近はアコーディオンの練習をしているんで今回鍵盤参加希望です」とかね。次々とあともどりできない感じでね!
全OBって。どれだけ来るんだろう…?
私の世代ではもう何人か、「うちの子供も県立柏入ってね、ブラバン入ったの」って人もいるし。親子で参加ってすごい。
無事に参加できるかしら私。アルヴァマーを?鍵盤で?えー?
…がんばります。えへ。
きちんと年をとりたい。と思います。
練習中にひとやすみで背筋や腰を伸ばしていたら、隣室から若い男性の声で、くるりの『ばらの花』が聴こえてくるのをなんだかしみじみとずっと聴いてしまっていました。
もよりの大学生のようでした。それまで最近の若者っぽい曲ばかり続いていたので、少しびっくりもして。
彼がひとりで朝からここに来て、『ばらの花』を歌うに至る気持ちとは。
それについて考えながら、またアコーディオンを持ち上げて肩にかける私。
部屋の時間があと10分くらい、となって片付けを始めた時
「そうだ、ここってカラオケボックスじゃん!」
今さら気づいて、GOMESの『愛すべき日々』を大音量でかける私。
マイクも持たず、画面も見ずに、心の中で、時々ちいさく声に出して。
ちゃんと、年をとったよ。
ここまで来たよ。
でも、まだまだ行くし年もとるよ。
そんな日々だよ。



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