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「川をくだる日」

  • 執筆者の写真: naitou
    naitou
  • 10月2日
  • 読了時間: 2分

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野球観戦中に見えた月。半月。


涼しい秋の朝ですね。

朝5時くらいからずっと手芸と焼菓子の作業をしていたので、今はぽーっとしてひとやすみ。

朝のうちは、なにごともはかどるのでついつい全集中しがち。

そして夕方には電池がきれてしまう私…。


夜中に一度、ネルのくしゃみで目が覚めました。

夜は寒かったかな?

隣を見ると、ネルが腹を出してあおむけに伸びきって眠っていました。

折った片手を軽く胸にあてて。

…きみは、ちいさきひとでしたかそうでしたか。


数年前初めて前橋に行った小旅行のことをもとに書いている文章と絵を、ちょびっとずつ変えたりまたもとに戻してみたりしています。

30歳までずっと、私の免許証に掲載されている本籍地は前橋市でした。

行ったことのない本籍地、産まれる前の歴史。

その小旅行では前橋在住の旧い友人に、文学館や遊園地ほか萩原朔太郎ゆかりの場所を案内してもらって、川や山の自然に触れて、私はここで産まれてここで育つ可能性はあったのだろうかなどと考えてみたり。

そういう自分のために書いているいくつかの文章は、いつかそのへんに載せておくことも、あっけなく消しちゃうことも、知らんぷりして何か別のものに書き換えてゆくのも、全然ありだと思っています。


めちゃ暑かった夏の途中くらいから、心臓がふと「とくん…?」となる瞬間が何度かあって、ほとんど気にならないんだけど時々ちょっと「やだな」とか思っています。

前橋の大きな書店に公開仕事場がある絲山秋子さんの本で、心臓のリズムの短編から始まるやつがあったっけ、などと思いながら。

あの書店にいつか行きたいし、文学館にもまた行きたい。

私は橋を渡りたい。

橋がなくてえんえんと川をくだる。

違う町をつたって、遠い町をふりむいて、

向こう岸のさらに向こうはもう本当にかすんでいて、ちいさな町と野原に誰かが暮らしているような気がして、霧が晴れるのを祈りながら、今日もただただくだる川。



 
 
 

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