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「菩提樹の下で」

  • 執筆者の写真: naitou
    naitou
  • 8月21日
  • 読了時間: 2分

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以前から行きたかった駒場周辺の散歩に、れっつごー。

あまりの暑さと燃ゆる緑に、

「あれ、これって夏の旅行だっけ…?ここはどこか遠い地かしら…?」

なんて思ったり。

写真は菩提樹…ではなくって、駒場公園のクスノキ。


最初に近代文学館。

建物が広島の図書館みたいに落ち着いた古い公共施設感があって、なんとなく安心感が最初に来ます。

BUNDANカフェで「寺山」コーヒーと「シェイクスピア」スコーン。

そのあと上にあがって、現在企画中の展示・森鴎外の「舞姫」に関する資料をざくざくと拝見しました。

「舞姫」論争。

初めて読んだのはもちろん高校の教科書(一部抜粋)からのち文庫本で全文だったように思います。

10代だったので「ひどい話だね」とすぐさま思ったのは事実…。

でも今さまざまな背景と資料も合わせ見ると、内容よりも端々のなにげなく美しい描写や言葉などに心動かされました。

また別の展示の機会にも行ってみたいです。

今度は真冬の散歩とかいいですね。

凍えながらね。


そのあと、暑い暑い駒場公園をたらたらとつっきって(あまりの暑さで無人)、民芸館へ。

途中の洋館(旧前田邸)が休館日で残念。舞踏会気分で館内を見まわしてみたかったので。

民芸館は棟方志功の展示。

その木造の建物もとにかくすごしやすかったし、作品には棟方志功の刃の跡が思いっきり見え続けていて、なんだか私まで力が出ました。

ここに住みたいね。なんてね。


最後に、駅の逆側へ行ってみました。

私はずっと、駒場といえば駒場アゴラ劇場しか行ったことがなかった。

かつてのアゴラでは、自分が直接かかわる公演でお世話になったことはありませんでした。

でもたくさんの劇団を観に行ったり、手伝いで入ったりしていて、そのつくりや空気感、制作の動線は、自分の来し方に存在するリアルな記憶でした。

上のフロアでうちあげに参加したのは何のいつだったかな。

その劇場と関わる方々の思いや軌跡、功績。

それは私なんかが思うのも申し訳ないくらい、非常に大切な稀有なものだったのだと強く思います。

だいじな時間をありがとうございました。

現在、柵にかこまれたその工事現場を直視できなくて、少しななめに空を見上げながら通り過ぎました。


「舞姫」での Unter den Linden に近い場所は、私で言えばどこだろう。

それはきっと、どこでもそうだしどこでもない。

こたえはいつだって、風の中。もしくは自分の中。









 
 
 

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