「初夏の こぐまちゃん」
- naitou
- 1 日前
- 読了時間: 2分

踏切が永遠に開かなかったので、遠回りして甲州街道をえんえんと自転車で走ってゆく。
『甲州街道はもう秋なのさ』…ではなくって、『長期休暇の夜』を歌いながら。
車がびゅんびゅん通る大通りの音に、自分の声さえ聴こえなくなりながら。
初めてGOMESの『weekend』を聴いていた頃、
私と周囲は、まだ学内に多少は拠点があったか、それらを引き払ってちゃんと外へと出て行けたか、くらいの時期だったかもしれません。
歌にたまに出てくる学校っぽいワードに重ねて、自分の日々の景色を見つめることもありました。
作業の手をふと止めて「路面電車…って、そこから出てる都電?」とかね。
身近なようでいて、想像以上にきらきらしていて、この年になって目を閉じればさらにくっきりと浮かびあがる曲がぎゅっとつまったアルバムのように思っています。
昨日は昼間かなり暑かったので、「危険!」と思って、
ネルの待つ自宅へ飛んで帰ったのです。
そしてあせってドアを開けると、台所の床にころがっている真っ黒なこぐまちゃんが目にとびこんできました。
なにしろ、黒猫なのです。うちのこぐまちゃんは。
ちょっと長めの毛質だし、暑がりだし大げさだし。
お水飲ませて、部屋を冷やして暗くして、しばらく背中とんとんしていると、やっと
「ん-……」
などと言いだして、もうひところがり。
旅は続くね。
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